
数学が苦手だけど、統計検定準1級の勉強法を知りたい・・・。
統計検定準1級の勉強法は、多くの方が言っているとおり、ワークブックから始まり、ワークブックで終わります。
勉強法として大事なのは、ワークブックの内容を理解するために、補助的に参考書を買って、最終的にはワークブックに戻ります。
統計検定準1級が難しいと言われるのは、試験範囲がとにかく広いことです。
公式テキストのワークブックは32章もあり、どの章も重い、、、。
数学の知識も大学基礎レベルが必要になりますので、受験するハードルが2級から一気にあがります。
私は、大学で線形代数や微積を履修していなかったので、大学の数学の知識は独学で行いました。
こんな私でも統計検定準1級に2ヶ月で合格できたのは、線形代数や微積、2級の基礎をやり込んだからだと感じています。
本記事では、数学が苦手な私が2ヶ月で合格できた具体的な勉強法と使用した参考書や教材をご紹介します。
なぜ統計検定準1級に2か月で合格できたのか?
受験する前の数学力はどのくらいだったか?
私が勉強を始めた時の数学力は、
・大学受験に数ⅢCを使っていない
・大学在籍中は、線形代数と微積は履修していない
・2025年4月に統計検定3級合格。5月に統計検定2級合格。

こんな程度の知識だったので、ワークブックの数式がほとんど理解できませんでした。
合格するまでの勉強時間は?
統計検定準1級受験の勉強時間は300時間程度です。
平日3-4時間、休日7-8時間勉強しました。
4月に3級、5月に2級を取得し勉強時間の合計は150時間程度だったので、
準1級までは合計で450時間ぐらい統計検定の勉強をしました。
なぜ2ヶ月で合格できたのか?
CBT試験の出題はランダムなので、全ての範囲から出題されます。
ここがとても大事で、自分がやりこんだワークブックの章がでないこともあります。
ここは捨てようと山をはれないということです。
どの章も捨てずに、基礎や考え方を浅くてもいいので理解する。
私は、ワークブックが2周終わった段階で受験しました。
当初は1回で受かるとは思っていなかったので、問題傾向を把握するためにも早めに受けることをお勧めします。
短期間で合格するためにどのような戦略を立てたか?
統計検定準1級は主に4つのセクションに分かれています。
①確率と確率分布
②統計的推測
③多変量解析法
④種々の応用
統計検定準1級は分野ごとの配点が明示されていませんが、均等に4分野(4分野×25点=100点満点想定)出題されます。
合格ラインは 60%(60点)。
私の作戦としては、2級の範囲が含まれる②統計的推測で90%(22.5点)をとる。
残り3分野は①③④ → 75点分。
合格に必要な残りの37.5点を取る場合、
37.5点 ÷ 75点 = 50%
②統計的推測で90%とれれば、
他の①確率・分布、③多変量解析、④応用は平均で50%取れば合格ライン到達。
つまり、②統計的推測を得意分野として押さえれば、他分野は「半分解ければよい」戦略で十分合格圏内に入れます。
2級の勉強をしっかりとやって、他の分野は基礎をおさえれば十分に合格できるということです。
分野別に必要となる数学力は?
①確率と確率分布
②統計的推測
③多変量解析法
④種々の応用
4つのセクションで比較すると、数学力が必要となる順は、
②統計的推測 < ④種々の応用 < ③多変量解析法 < ①確率と確率分布
③多変量解析法は主に線形代数。
①確率と確率分布は主に微分。計算量も①確率と確率分布が多いです。
どの参考書を使用したか?おすすめな参考書
大事なことなので繰り返しますが、
ワークブックの内容を理解するために、補助的に参考書を買って、最終的にはワークブックに戻ります。

とにかく、色々な参考書を買って試しました。
数学が苦手な人でも理解できるものをピックアップしています。
ざっくり雰囲気で理解する統計検定準1級非公式参考書
まずは、勉強を本格的に始める前に、統計検定準1級の全体像を把握できる書籍を紹介します。
読み物として、さらーと読むのをお勧めします。
難しい公式を使用せずに、統計検定準1級では何を学ぶのかが簡単にまとまっています。
予備校のノリで学ぶ線形代数~単位も安心 速習テスト対策5講義付き! (ヨビノリ)
ヨビノリ先生のYoutube動画が書籍になっています。
線形代数を学んだことがない人にとっては、1番理解しやすいと思います。
講義を受けているような文体で読みやすく、なぜ?という疑問がすっきり解消されます。
この参考書に掲載されていない内容は、とけたろうさんのYoutubeで補いました。
ヨビノリ先生→とけたろうさんの順番で線形代数を学ぶのが最適なルートです。
1冊でマスター 大学の微分積分

出典:技術評論社
\ もっとテキストの中身を確認したい方はこちら /
微積分はとにかく演習量が大事なので、問題数が多い本書は最適です。
公式や証明も説明が丁寧で分かりやすいです。
統計検定準1級ででてくる微積分の範囲はほとんど網羅されています。
史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学

出典:ナツメ社
\ もっとテキストの中身を確認したい方はこちら /
ベイズは事前知識がないとワークブックの31章を理解することが難しいです。
ベイズの定理を理解した上でないと事前分布、事後分布、周辺尤度がなぜ出てくるのかが分からないはずです。
ベイズ統計はこの書籍が初学者向けには一番分かりやすく説明しています。
前半は基礎的な内容すぎると感じても、ベイズの根本的な考えに関わってくるのでとても大事です。
例題でよくわかる はじめての多変量解析

出典:森北出版
\ もっとテキストの中身を確認したい方はこちら /
ワークブックの多変量解析の例題は、問題数が少なく、難易度のばらつきが大きいです。
本書は、例題を通して多変量解析の手法を解法ステップに従って解いていきます。
それぞれの多変量解析の全体像を把握するのに最適です。問題の難易度もほどよいです。
本書の例題を解いた後に、ワークブックを読んでみると、内容が理解しやすくなります。
中学レベルからはじめる!やさしくわかる統計学のための数学

出典:ナツメ社
\ もっとテキストの中身を確認したい方はこちら /
2級の受験の際に使っていた参考書です。
タイトルの通り、中学レベルの数学で統計学の基礎を理解できます。
確率変数、統計的推測、仮設検定に関しては、この書籍が1番分かりやすかったです。
準1級でも2級レベルの問題がでます。
絶対に取りこぼしがないように統計的推測は勉強することをおすすめします。
日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2018〜2021年]
統計的推測や重回帰分析の範囲は、ワークブックだと問題数が少ないので、2級の過去問を使って学習しました。
2021年の問題は良問揃いなので、一度解くことをおすすめします。
とけたろうさんの有料note
ワークブックの内容を理解するために、一番の近道になる教材です。
すべての範囲が網羅されているわけではありませんが、受験者がつまずきやすい分野を解説しています。
また、かみ砕いて書いてありますが、ある程度の数学力が必要になります。
購入したがやらなかった参考書
過去問はやるべきなのか?
統計検定準1級はCBT試験に移行してからの過去問はありません。
日本統計学会公式認定 統計検定 準1級 公式問題集が発売されており、
2015年から2021年の全6回分の紙媒体の試験問題が収録されています。
過去問は購入しましたが、ワークブックの例題と重複している問題が多かったため、やる必要がないなと思いやりませんでした。
購入したがやらなかったその他参考書
・妥協しないデータ分析のための微積分+線形代数入門
1冊で微積と線形代数を学習できると思って購入。
ある程度の基礎知識を前提としているため、途中で挫折しました。
・統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)
分からない用語を調べるのに使っていましたが、最終的にはChatGPTでいいやとなって使わなくなりました。
・弱点克服 大学生の確率・統計
確率と確率分布の範囲の問題演習用に購入しました。1回目の受験に落ちたらやろうと思っていました。
・多変量解析法入門
ワークブックで記載されている公式と使用している変数が異なることがあるため、混乱しそうだったので途中でやめました。
最短で合格するための勉強法のフロー
数学の基礎知識に関して意識したいことは、線形代数と微積は統計検定準一級で必要となる分野だけ勉強する。
ワークブックに書いてある内容を理解するために勉強するという目的を忘れずに、、、。

最終目的地は、ワークブック!!!
参考書を実際に使った勉強法は?
参考書とワークブックを実際に使用した順番を書いていきます。
二級の範囲をまずは完璧にする。
中学レベルからはじめる!やさしくわかる統計学のための数学
⇩
日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2018〜2021年]
⇩
ワークブック 統計的推測 9-13章
⇩
微分積分の勉強(特に、母関数で微分を使います):1冊でマスター 大学の微分積分
⇩
ワークブック 確率と確率分布 1-8章
⇩
線形代数の勉強:予備校のノリで学ぶ線形代数
⇩
例題でよくわかる はじめての多変量解析
⇩
とけたろうさんの有料note
⇩
ワークブック 多変量解析法 14-26章
⇩
史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学
⇩
とけたろうさんの有料note
⇩
ワークブック 種々の応用 27-32章

長い道のりですが、コツコツやれば必ず合格できます。
ワークブックの進め方は?
基本的な流れは、ワークブックの1章ごとに進めていきます。
該当する章に関連する参考書を読む
⇩
進捗卍チャンネルさんのYoutubeをみる( 全ての章に解説があるわけではないので注意)
⇩
該当する章に関連するとけたろうさんのnote読む
⇩
ワークブックを読む
⇩
ワークブックの例題を解く

進捗卍チャンネルさんの動画は、手書きでワークブックの章ごとに解説していて非常に分かりやすいのでおすすめです。
ワークブックの例題の解き方が分からない場合は?
Yuya KawaguchiさんのYoutube動画がおすすめです。
予備校講師を本業とされている方で、とにかく一つ一つの解説が丁寧です。
Yuya Kawaguchiさんのワークブック例題の解説動画がなかったら、合格していなかったでしょう。
Youtubeに掲載されていない例題の解説は、udemyで購入することができます。
また、Yuya KawaguchiさんのFacebookグループに入ることで、ワークブックの手書きの解答を全て閲覧することが可能です。

Yuya Kawaguchiさんの動画は、ホワイトボードに書いてある内容を詳細に説明していくので、実際に授業を受けているように感じることができます。
ワークブックの内容が理解できない場合は?
ChatGPTに聞きまくる!
理解できない本文をそのままChatGPTに入力して、理解できるまでしつこいぐらい聞き続けるのがコツです。
一つ一つの単語をネットで調べるよりもはるかに効率的です。
ChatGPTの強みは、分からなければ、自分が理解できるまでレベルを下げて説明してくれるところです。
納得できなければ、
もっと分かりやすく教えてと聞きつづけることができます。
また数式を打ち込むのが大変な場合はスクリーンショットを貼れば、OCRで自動的に変換してくれるので便利です。
ワークブックの電子書籍は、私が調べた限りだと、
・学術図書出版社
学術図書出版社 リンク
・医書.jp
医書.jp
2社から発売されています。
私は医書.jpで電子書籍を購入しました。
ChatGPTに聞くためのプロンプトの例
ChatGPTに質問する時のプロンプト例を張っておきます。
自分で調整して使ってみてください。
あなたはプロの予備校教師で、専門は統計学です。
私は統計学の初心者なので、質問に分かりやすく答えてください。
#質問
---ここに質問を書く。---
まとめ
数学が苦手な私でも統計検定準1級に合格できたのは、
ワークブックが難しくて途中で何回も挫折しそうになりますが、
コツコツやれば必ずできるようになります。
本記事が、数学が苦手な統計検定準1級受験者のお役に立てれば幸いです。
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